
基礎練習を続けてるけど、最近ただこなしているだけな気がする…

練習が作業っぽくなってきたら、見方を変えるチャンスかも。

この記事では、川口千里さんが師匠から教わった「叩く」ではなく「音で遊ぶ」という視点を紹介するよ。
練習が「こなすもの」になっていないか
決められたフレーズを、決められた回数だけ叩く。練習を続けていると、いつの間にかそれが「こなす作業」になっていることはないでしょうか。
もちろん、地道な反復練習は上達に欠かせません。ただ、それが義務っぽくなってきたときには、少し違う角度から練習を見直してみるのも一つの手です。
この記事では、ドラマーの川口千里さんが師匠から教わったという「音で遊ぶ」という視点を借りてみます。先に断っておくと、この記事は川口千里さんの演奏そのものを目標にしてもらう記事ではありません。理由は後半の「この練習観をどう受け取ればいいか」で説明します。
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川口千里さんはどんなドラマーか
川口千里さんは、1997年、愛知県生まれのドラマーです。5歳でドラムを始め、8歳のときから「手数王」の異名を持つ菅沼孝三さんに師事しています。16歳で1stアルバム『A LA MODE』をリリースし、その後もリー・リトナー氏やデビッド・サンボーン氏といった世界的なミュージシャンとの共演を重ねてきました。世界的なドラム関連サイト『DRUMMERWORLD』の「世界のトップドラマー500人」に選ばれたほか、アメリカのドラム専門誌の表紙を飾り18ページにわたって特集されるなど、国内外で高く評価されています。
きっかけは、師匠のレッスンで受けた衝撃
川口千里さんがドラムに打ち込むきっかけになったのは、8歳のときの出来事だったそうです。地元のドラム教室の先生から「名古屋で菅沼孝三さんがグループレッスンをしている」と勧められ、大人たちに交じって、初めてそのレッスンに参加しました。
その日、菅沼さんが出した課題は、デイヴ・ウェックルというドラマーが叩く曲でした。「何だ、これは!?」と衝撃を受けたことを、インタビューで振り返っています。
大人に交じって参加した一回のレッスンが、その後の練習観そのものを変えるきっかけになった。そんな出会い方も、ドラムとの関わり方のひとつです。
「叩く」ではなく「音で遊ぶ」
以来、菅沼さんはレッスンやライブを通じて、川口千里さんに「音で遊ぶ」ということを伝え続けてきたそうです。「ドラムを『演奏する』のではなく『叩く』だけになってしまいそうな自分に、自分が歌うままに、こうして音で遊んでいくんだよ、ということを、自らの演奏を通じて伝えてくれた」と、インタビューで語っています。
もう一つ、印象的なエピソードがあります。数々の超絶技巧で知られる川口千里さんですが、「音楽理論の勉強はまだまだこれから」「いまだに鍵盤を人差し指で押して入力している」と、飾らずに語っています。完璧に仕上がった状態からではなく、今できることを積み重ねていく姿勢は、演奏の技術レベルとは関係なく参考にできる部分です。
演奏するときは、いつも100パーセントの力で。これも、川口千里さんが大事にしている姿勢のひとつだそうです。
- 「叩く」ではなく「音で遊ぶ」
- 音楽理論は「まだまだこれから」。完璧でなくていい
- 演奏するときは、いつも100パーセントの力で
この練習観をどう受け取ればいいか
ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。
川口千里さんの演奏そのものを練習の目標にする必要はありません。
川口千里さんの楽曲には、4分の3拍子と8分の6拍子が入れ替わりながら進むような曲もあり、超絶技巧・フュージョン系と呼ばれる高度な音楽性が特徴です。世界的に評価されてきた実力の持ち主であり、その演奏を「目標」として追いかけるのは、多くの初心者にとって現実的ではありません。
この記事で参考にしてほしいのは、「叩く」ではなく「音で遊ぶ」という視点の転換、師匠のレッスンで受けた衝撃という原体験、そして「音楽理論はまだまだこれから」と語れる、完璧でなくていいという姿勢です。演奏の技術そのものを真似する必要はありません。
気になったら、まず何を見ればいいか
演奏を見てみたい方には、自身のバンド「Senri Kawaguchi Band」による、BLUES ALLEY JAPANでのライブ映像がおすすめです。本人の公式YouTubeチャンネルで公開されている「Raging Spur」は、アルバム『E-Magination』収録曲のライブ演奏で、疾走感のあるシャッフルビートが特徴の一曲です。
※超絶技巧・変拍子を含む楽曲もあり、技術的な難易度は高めです。「この練習観をどう受け取ればいいか」で触れた通り、この演奏自体を目標にする必要はありません。まずは「こんな世界もあるのか」という発見として眺めてみてください。
川口千里さんのシグネチャースティック
川口千里さんのシグネチャーモデルは、Zildjianから発売されています。師匠である菅沼孝三さんのモデルスティックをベースにしたもので、黄色のディップ加工とヤモリのイラストが目印です。
- 型番:ZASSK
- 全長:410mm/直径:14.2mm
- チップ:ナイロン(スクエア)
- 材質:ヒッコリー
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練習が「こなすもの」になってきたと感じたら、演奏そのものを目標にするのではなく、練習観だけを借りてみる。川口千里さんの「音で遊ぶ」という視点も、そのひとつです。
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