この記事では、ドラムスティック「Wincent W-5A」を25年のドラム歴を持つ視点から正直にレビューします。
スティックを使い比べた上で自分の基準を作りたい方に向けて書きました。
ドラムスティックは消耗品です。25年叩いていれば、何ペア使ってきたか正直数えきれません。
その間、いろいろなブランドを試しました。
各ドラムメーカーさんの出している純正スティック、
Pro-Mark、Vic Firth、一時はカーボンスティックにも手を出しました。
それでも約10年前にメインスティックを Wincent W-5A に切り替えてからは、
ずっとこれが基準になっています。
派手な売り文句のあるスティックではありません。
雑誌で大特集が組まれるタイプでもない。
けれど後輩経由で勧められて試してみてから、もう他のスティックには戻れなくなりました。
この記事は25年スティックを握ってきた1人の正直な評価です。
「なぜWincentに辿り着いたのか」
「どこが良くて、どこが人を選ぶのか」を、忖度なしで書きます。
※この記事にはアフィリエイトリンクを含みます。リンク先で購入された場合、運営者に報酬が発生することがありますが、レビュー内容は実際に使用・比較した内容にもとづいています。
- Wincent W-5Aがどんなスティックで、なぜ選んだのか
- 約10年使って感じた耐久性・グリップ・ピッチ精度の実態
- 価格・入手性などのデメリット
- どんなドラマーに向いているか/向いていないか

結論:万人向けではないが、定着すると戻れなくなるスティック
先に結論から書きます。
- 耐久性が頭ひとつ抜けている。
石研磨製法ゆえの折れにくさは、25年いろんなスティックを使ってきた身からすると体感で分かる差です。自分の使い方では、メーカー純正スティックと比べて3倍以上は保ちます。 - ワックス仕上げのグリップが手に馴染む。
無塗装に近い感触ながら、一般的なニス仕上げよりグリップ感があり、握っていて自然。 - ペアのピッチ精度が高い。
Vic Firthほどの徹底ぶりではないがペア間の差が小さく、演奏中に違和感が少ない。 - 絶妙な重心設計。
振り回しやすく重さを載せやすい絶妙なバランス。 - ただし価格は安くない。
1ペアおよそ¥2,500前後。コンビニで買えるような値段ではありません。 - 店頭で見かける機会も多くない。
入手性はVic FirthやPro-Markに比べて劣ると感じます。
「とりあえず最初の1ペア」として誰にでも勧められる種類のスティックではありません。
けれどいくつか使い比べた上で、
「自分の基準を作りたい」と思っているドラマーには強く勧められます。
25年のスティック遍歴:Wincentに行き着くまで
2001年頃:ドラムメーカーの純正スティックから始まった
ドラムを始めた頃、最初に握ったのはPearlやTAMAなどのドラムメーカー純正スティックでした。
当時はまだ「5Aがスタンダード」という意識もなく、店頭で目に入ったものを片っ端から試していた時期です。
「近所の楽器屋さんで売っていたから」、というのが正直なところ。
「自分に合うスティック」という発想がそもそも無かった時期です。
2001〜2002年頃:Pro-Mark(金子ノブアキモデル)への憧れ
少し演奏に慣れてきた頃、当時の自分にとっての憧れだったRIZEの金子ノブアキ氏が使っていた
Pro-Markの5Aナチュラルモデルに切り替えました。
ただ結論から言うと、自分にはナチュラル仕上げが合いませんでした。
何が問題だったかというと、
塗装が無いので手のひらと擦れる感覚がそのまま伝わってきて痛かったんです。
長時間握っていると、手のひらに違和感が出る。憧れていたモデルだけに残念でしたが、これは合う合わないの問題で、Pro-Markやそのモデル自体が悪いわけではありません。
「プロが使っているモデル=自分にも合う」とは限らない、
というのを最初に学んだのがこの時期でした。
2003年頃:Vic Firthとの出会い(パール楽器経由で沖縄でも入手可能に)
その後はPro-Markを使い続けていたのですが、当時の沖縄ではPro-Markの入手性が決して高くありませんでした。
新しいペアを買おうと思っても、地元の楽器店に在庫がない、というのが日常的にあったんです。
転機は2003年あたりにVic Firthの日本国内流通がパール楽器経由で整備されたこと。
これによってVic Firthの取り扱いが日本国内で大きく広がり、沖縄でも安定して入手できるようになりました。
そして使い始めて分かったのが、Vic Firthの大きな特徴である「パーフェクトペア」。
Vic Firthはペアごとの重量とピッチをコンピュータで選別して、ペア間の差が小さくなるよう品質管理しています。これは公式に「パーフェクトペア」と呼ばれている仕組みです。
実はそれまでドラムの演奏中に、ペアのスティックを叩き比べた時にピッチがほんの少し違うのが気になっていたんです。演奏中や練習中にふと聞こえてくるその差。気になり始めると止まらなくなる、ドラマーあるあるの一つです。
Vic Firthに変えてから、その違和感がきれいに解消されました。
「揃っているスティックを使う」ことの安心感を初めて知ったのもこの時期です。
カーボンスティックへの寄り道と挫折
Vic Firthを使っていたある時期、カーボンスティックにも手を出しました。
理由は「耐久性」。木のスティックが消耗していくのが、当時はもったいなく感じていたんです。
結論を言えば、結局木に戻りました。
最大の理由は、カーボン素材が硬すぎてヒット時の衝撃がそのまま手に伝わってくることでした。
木のスティックは素材自体が衝撃をある程度吸収してくれますが、カーボンにはそれが無い。
短時間なら気にならないが、ライブ後半や長時間練習で確実に手が疲れるんです。
加えてシンバルへの当たりが硬くて音が金属的になることや、スティックの跳ね返りが木と違ってニュアンスがつけにくい、といった違和感もありました。
カーボンは確かに折れません。けれど、「叩いていて気持ちよくない」というのが正直な感想でした。これは好みの問題が大きいのでカーボンが合う人もいると思いますが、自分の場合は数ヶ月で木に戻していました。
約10年前:Wincentへ(W-DTS試打からの導線)
そんな遍歴の末、約10年前にWincentと出会いました。きっかけは少し変わっています。
ドラマーのDUTTCHさん(ex. UZMK)がWincentからW-DTS(DUTTCH Signature)というシグネチャーモデルを出していて、それを愛用している後輩がいました。
その後輩はDUTTCHさん本人からWincentの耐久性と音の良さを聞いてW-DTSを使い始めたそうで、
ドラム談義の中で自分にも勧めてくれたんです。
ただ試してみたところW-DTSは太すぎて合いませんでした。
そこで「同じメーカーの別モデルなら自分に合うのがあるかもしれない」と思って試したのが
標準モデルの W-5A。これが自分の手にしっくり来ました。
それ以来、メインスティックはずっとWincent W-5Aです。
W-DTS(DUTTCH Signature)の参考スペック
参考までに自分には合わなかった W-DTS のスペックを記載しておきます。
現在は流通が限定的で入手困難な状況です。
| 項目 | W-DTS(参考) | W-5A(採用) |
|---|---|---|
| 長さ | 416mm | 406mm |
| 太さ | 15.3mm | 14.3mm |
| 仕上げ | ナチュラル(ワックス無し) | ワックス仕上げ |
| チップ | ティアドロップ | ティアドロップ |
W-DTSはW-5Aより長く・太く・ナチュラル仕上げ。
ショルダーを長くチップを大きくすることで、
太さに比べて操作性と音量が出るように設計されているモデルです。
自分にとっては長さ・太さ・無塗装の組み合わせが普段の感覚から離れすぎていたというだけの話です。
ワックス派かどうかではなく、
自分の選定条件にナチュラル仕上げが入ってこなかっただけ。
W-DTSが悪いという話ではありません。
このあたりは、
「同じメーカーの中でも、プロのシグネチャが必ずしも自分に合うわけではない」
という良い経験になりました。
Wincent W-5A 基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | Wincent(スウェーデン) |
| モデル | W-5A |
| 素材 | セレクテッドUSヒッコリー |
| 長さ | 406mm |
| 太さ | 14.3mm |
| チップ形状 | ティアドロップ |
| 仕上げ | ワックスプロテクション |
| 価格相場 | 1ペア ¥2,500前後(2026年5月時点) |
スペックだけ見れば、ごく標準的な5Aです。長さ・太さもVic Firthの5Aとほぼ同じ。
数字には表れない部分がこのスティックの正体です。

約10年使った視点で評価する4つのポイント
1. 耐久性:石研磨製法の実感
Wincentのスティックは刃物ではなく石(砥石)で削り出す製法で作られています。
これによって木材へのダメージが少なく、繊維が傷つきにくい構造になっているそうです。
理屈はともかく体感として明らかに折れにくいのは確かです。
これまで使ってきた他社の5Aと比べて、
- リムショットを多用する曲を叩いても、ササクレや欠けが出にくい
- メーカー純正品と比較すると、自分の使い方では3倍以上は保ちます
価格が¥2,500だとして寿命が純正品の3倍なら、
1ペアあたりのコストパフォーマンスはむしろ良い計算になります。
「高いスティック」ではなく「長持ちするスティック」と捉えると、印象が変わります。
Wincentを選ぶ理由を一言で言うなら、この耐久性に尽きます。
2. グリップ感:ワックス仕上げの手馴染み
Wincentの特徴的な部分のひとつがニスではなくワックスで仕上げられていること。
感触としては無塗装に近いのですが、一般的なニス仕上げのスティックよりもグリップ感があり、握っていて自然な手触りです。
ニスの「ツルッ」とした硬さがなく、かといって生木のようにザラつくわけでもない。
素材そのものに近い感覚で握れるのが心地よい。
手汗でベタつかず滑ることもない、絶妙なバランスを長時間維持してくれるスティックです。
3. 絶妙な重心設計
Wincent W-5Aはスティックの重心が少しチップ(先端)よりに設計されています。
そのため他のスティックと比べると、
振り回しやすく重さを載せやすい絶妙なバランスに感じます。
少しばかりの個体差はありますが25年いろんなスティックを試してきて、
「コントロールしやすいスティック」と言える筆頭がWincent W-5Aです。
Wincent公式(国内輸入元のキクタニ)では、このW-5AをFront Heavy(前重心)仕様と説明しています。スペック表のテーパー欄にも「Front heavy. Good punch」と記載されており、メーカー側のキャラクター付けとして「重心が先端寄りで、しっかり振り下ろせる」スティックという位置付けです。筆者の演奏体感ともこの方向性は矛盾しません。
その上でもう少し具体的なイメージのために、筆者の手元にあるW-5Aのペアを参考値として簡易測定してみました。スティックを糸で吊り、水平を保てる位置を重心位置として測定しています。専用の実験装置によるものではないので、あくまで「演奏者がバランスを把握するための目安」として扱ってください。
| 測定項目 | 筆者個体の実測(W-5A 2ペア分) |
|---|---|
| 全長 | 406mm |
| 重量 | 52g |
| 重心位置(グリップエンドからの距離) | 約181〜184mm |
| 重心比率(重心位置 ÷ 全長) | 約0.45(およそ45%) |
重心比率が約45%という数値そのものは、5Aクラスのスティックとしては中央付近の標準的な範囲に近い値です。メーカーが Front Heavy(前重心)と表記していることと、この実測値は矛盾しません。重心位置がやや先端寄りであることに加えて、52g前後の重量、406mmの長さ、テーパーの取り方、チップ側の質量感などが組み合わさることで、実際に振るとチップ側に自然に重みが乗っていく感覚として現れている、というのが筆者の理解です。
なお、上の数値は筆者個体の簡易測定値で、新品か使用済みか、保管環境、湿気、個体差によって変わります。同じW-5Aでも別のペアでは少しずれることがありますし、他のメーカー・モデルとの比較を断定するためのものでもありません。メーカーが Front Heavy(前重心)と表記していること自体と、筆者個体の重心位置が約181〜184mm・重心比率が約45%だったことは矛盾するものではありません。ただし、この実測値だけを見て「極端に先端寄り」と読み取るよりも、重量・長さ・テーパー・チップ側の質量感まで含めて、振ると先端側に自然に重みが乗るスティック、と捉える方が実際の体感に近いです。
参考までに、筆者が測定した2ペアの範囲では、同じペア内でも重心位置が1〜2mm程度異なることがありました。演奏中に意識して感じ取れる差ではなく、ペア内の選別精度としては十分な範囲と感じています。
また、W-7AおよびPromark TX5AWと、グリップ基準位置(グリップエンドから130mm)を仮の支点とした手元負荷の概算を比べてみました。
| モデル | 重心位置 | グリップ基準からの距離 | 重量 | 概算モーメント目安 |
|---|---|---|---|---|
| W-5A(2ペア平均) | 181〜183mm | 51〜53mm | 52g | 約2,700〜2,800 |
| W-7A | 181.5mm | 51.5mm | 53g | 約2,730 |
| Promark TX5AW(参考) | 196mm | 66mm | 54g | 約3,560 |
W-5AとW-7Aはグリップ基準からの距離がほぼ同じ(差は1〜2mm程度)で、手元バランスの数値は非常に近い値になりました。これは「グリップ基準から見た手元のバランス感覚はW-5Aに近い」(FAQ Q3参照)という体感と一致しています。TX5AWは重心位置が前にあるぶん概算モーメントも大きく、振り上げ時に慣性を感じやすい傾向があります。なお、これらはすべて筆者個体のグリップ基準位置(130mm)を使った概算計算値です。握る位置やリバウンドの使い方によって体感は変わります。
4. ペアのピッチ精度:地味だが効いてくる安心感
Wincentについて、意外と語られることが少ないけれど自分が評価しているのがペアのピッチ精度です。
Vic Firthほど徹底した品質管理(パーフェクトペア)ではありませんが、
Wincentもペアごとの差はかなり小さい印象です。叩き比べた時に「あれ、片方ピッチ違う?」と気になることが少なく感じます。
ピッチが揃っているスティックは、演奏中に余計なノイズが頭に入ってこないので、集中力が削がれないという地味だけど確実なメリットがあります。Vic Firthから乗り換える時に「ピッチ精度が下がるのでは」と心配だったのですが、実際には許容できる範囲内でした。
体感に加えて、SonicDiffとFFT解析でもこのペアのピッチ差を確認してみました。重心位置で吊ってテーパー側を叩いた条件では、2本の代表的な低〜中域成分はどちらも440Hz付近(A4周辺)でほぼ揃っており、音名が明確に変わるほどの基音差は確認しにくい結果でした。一方、Pair-A側の高域成分(F#8付近)が強く出ており、聴感上Aの方がやや高く、硬く聴こえる傾向がありました。これは「基音差」というよりも「アタックや高次共振の出方の違い」として説明できます。なお、この測定は少数サンプルを使った個人環境での簡易計測であり、モデル全体の品質差を示すものではありません。
なお、スティックのペア差については、実際にWincent W-5A・Vic Firth 5A・Vic Firth AJ2を録音し、FFTやSonicDiffで比較した検証記事も公開しています。
「ペアのピッチ差は本当に音に出るのか?」が気になる方は、あわせて読んでみてください。

デメリットと「人を選ぶ」部分
正直な評価記事なので、ネガティブな部分も書きます。
1. 価格は安くない
1ペア¥2,500前後。Vic FirthやPro-Markの5Aが¥1,500〜¥1,800程度で買えることを考えると、約1.3〜1.5倍の価格です。
耐久性で元は取れるという話を上で書きましたが、初期コストのハードルが高いのは事実。
「とりあえずスティックが必要」という人がいきなり手を出す価格帯ではありません。
2. 店頭で見る機会が少ない
これが個人的には一番大きなデメリットです。
Vic Firthはどの楽器店にも置いてありますが、Wincentは取り扱い店舗が限られます。
参考までに、沖縄県内で実店舗取り扱いがあるのは自分の知る限り1店舗のみです。
地方在住の方は近所の楽器店で買えない可能性が高く、基本的に通販前提のスティックと考えた方が良いです。
3. 過去に入手困難な時期があった
これは記憶ベースのため断定は避けますが、
2021年頃にコロナ禍の物流停滞の影響で、Wincentが入手困難になった時期がありました。
東京の楽器専門店ですら在庫を切らしている状況で、地方の通販ですら数ヶ月待ちというケースもあったはずです。スウェーデン製品ということで、サプライチェーンの影響を受けやすかったのかもしれません。
現在(2026年5月時点)は主要通販サイトで在庫が安定していますが、
メインスティックを1ブランドに絞ると、こういう供給リスクは常に頭に置いておく必要があります。
対策としては、気に入ったモデルは2〜3ペアまとめ買いしておくのが安全です。
こんなドラマーにおすすめ/おすすめしない
✅ おすすめしたい人
- 何種類かスティックを試した上で、自分の基準を作りたい人
- 耐久性を重視する人(リムショット多用、パワーヒッター)
- 手に馴染むグリップ感を求めている人
- 長く付き合えるメインスティックを探している人
❌ おすすめしにくい人
- これから初めてスティックを買う初心者(まずはVic Firthなど、入手しやすい定番から始めた方が良いです)
- コスト最優先の人(PLAYTECH や YAMAHAの安価モデルの方が割り切りやすい)
- 常に楽器店で買い足したい人(取り扱い店舗の少なさがネック)
Wincent W-5Aのよくある質問
Q1. W-5Aは初心者にも向いていますか?
太さ14.3mmは標準5A相当なので、「5Aから始める」という選択肢のひとつにはなります。ただし1ペア¥2,500前後という価格と、店頭で試しにくい入手性を考えると、最初の1本として全員に最適とは言い切れません。
また、軽いタッチで演奏したい人、音量を抑えたい人、細めのスティックが合いそうな人は、同メーカーのW-7A(13.6mm)や、入手しやすい定番モデルも比較してから検討するのがおすすめです。可能であれば店頭で握り比べ、普段使っているスティックと比較するのが一番確実です。
Q2. Front Heavy(前重心)仕様は扱いにくくありませんか?
Wincent公式(国内輸入元キクタニ)ではW-5AをFront Heavy(前重心)仕様と説明しています。筆者の体感では、チップ側に自然に重みが乗るという感覚があり、振り下ろした時にしっかり音が出やすいと感じています。
ただし「極端に先端が重くて振り回される」というよりも、重量・長さ・テーパー・チップ側の質量感が合わさったバランスとして体感しています(本文中の重心実測補足も参照)。軽いタッチや小音量中心の演奏スタイルの方は、最初に少し重みを感じる場合があるかもしれません。「Front Heavyだから難しい」と決めつけず、実際に握って確かめることをおすすめします。
Q3. W-5AとW-7Aで迷ったらどちらを選べばよいですか?
大まかな判断軸を整理します。
- W-5A が合いやすい傾向:ロック・ポップス中心、しっかり振り下ろしたい、標準5Aの打感が好み
- W-7A も候補になる傾向:細めのスティックに慣れている、軽さや繊細なタッチを重視したい、小音量練習が多い、手の細さが気になる
W-7Aは太さ13.6mm・長さ406mmで、長さはW-5Aと同じです。筆者も両方を所有していますが、グリップ基準から見た手元のバランス感覚はW-5Aに近い印象です。詳細な比較は別の機会に改めて整理する予定です。迷う場合はまずW-5Aを1ペア試して、合わなければW-7Aを比較する流れが現実的です。
Q4. 記事の重心実測値は、スティック選びの参考にどこまで使えますか?
結論から言うと、記事の重心実測値は「比較や体感を整理するための目安」として使ってください。この数値だけでスティックの良し悪しを断定するものではありません。
まず、本文の測定はスティックを糸で吊って水平になる位置を読み取った簡易計測で、専用の測定装置による精密測定ではありません。同じW-5Aでもペアや個体によって数mm前後しますし、新品か使い込んだ状態か、保管時の湿気によっても変わります。自分の個体が記事の値と数mm違っていても、それは「別物」ではなく、木製スティックとして自然な範囲のばらつきだと考えて大丈夫です。
また、重心位置や重心比率、重量といった数値は、振り心地を構成する要素の一部でしかありません。実際の使いやすさには、次のような数値に出にくい要因も大きく関わります。
- スティックを握る位置(グリップポイント)やグリップの種類
- 手の大きさや指の長さ
- よく演奏するジャンルや音量、リバウンドの使い方
- テーパーの取り方やチップ側の質量感など、表の数値に表れない設計
そのため数値だけで「自分に合う/合わない」を決めるより、
実際に握って振ったときの感覚と数値を突き合わせるのがおすすめです。
記事の数値は、その体感を「なぜそう感じるのか」と言葉にして整理するための補助線、
という位置付けで読んでもらえると、いちばん役に立つはずです。
なお、ペアごとの音の差を実際に録音して比べた検証は別記事で扱っています。数値と聴感の関係をもう少し踏み込んで知りたい方は、そちらもあわせてどうぞ。
FAQまで読んで「自分にも合いそう」と感じた方へ
Wincent W-5Aは強く推せる相棒になりやすい一方、合う人を選ぶスティックでもあります。購入前に、3点だけ自分の感覚で確認してから判断してください。
- ペアあたりの価格(およそ¥2,500前後)を、長く付き合う消耗品のコストとして許容できるか
- 太さ14.3mm × 長さ406mmというサイズ感が、普段使っているスティックの手元の感覚から大きくずれていないか
- W-7Aや普段使っている5Aと比べて、自分の音量感・重さの好み・振り下ろしの感覚に合いそうか
価格や在庫を確認する場合は、購入前に最新の販売状況をチェックしてください。気に入った場合は、過去の入手難の経験を踏まえて、まとめ買いをしておくのも選択肢の一つです。
まとめ:25年の答え
スティックは個人差が大きい消耗品です。万人にとっての正解はありません。
それでも自分の25年の答えは、Wincent W-5Aでした。
派手さはありません。価格は安くありません。店頭でも見つけづらいかも。
けれど、手に馴染んで、長持ちして、ピッチが程よく揃っていて、コントロールしやすい。
スティックに求める基本性能を、高い水準で揃えているスティックです。
スティック遍歴をしてきたドラマーや、「次は違うブランドを試してみたい」と思っている人には、
選択肢として知っておいて損はないスティックです。
1ペア試してみて、もしハマったらまとめ買いを推奨します。
参考:Wincentの他モデル
W-5Aが合わなかった、もしくは別の用途に使いたいという方向けに、Wincentの主要モデルも軽く触れておきます。
| モデル | サイズ | 特徴 |
|---|---|---|
| W-5A | 406 × 14.3mm | 標準5A・このレビューの対象 |
| W-5B | 406 × 15.0mm | 太め・パワー重視 |
| W-5AXL | 420 × 14.3mm | 標準5Aの長尺版 |
| W-7A | 406 × 13.6mm | 細め・繊細な表現向け |
| W-55F | 406 × 14.7mm | 5Aと5Bの中間サイズ |
表で気になるモデルがあれば、下の商品リンクから価格・在庫を確認できます。サイズ感や用途の違いを見比べながら、自分の手や演奏スタイルに合いそうなものを選んでみてください。
※価格・在庫はサウンドハウス等の通販サイトで都度確認してください。




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